【上海=河崎真澄】中国広東省の携帯電話機メーカー「富士康」で、今年1月から今月14日までに7人もの従業員が高所から転落して死亡し、地元メディアなどが経営側の管理を問題視する動きを強めている。
今月11日に死亡した6人目まで警察はいずれも自殺を図ったとみていたが、14日に死亡した7人目の男性従業員(21)の転落現場では血が付いた短刀が見つかり、遺体には切り傷があった。
富士康は受託生産型のメーカーだが、昨年7月には米アップルの「iPhone(アイフォーン)」次世代機のサンプルを紛失したとして、秘密漏洩(ろうえい)を疑われた男性従業員(25)が飛び降り自殺している。今年に入って死亡した7人はいずれも20歳前後。富士康では高僧を招いて法要を行った。
一方で地元紙やネット上では「従業員管理に問題があるのではないか」「のろわれている」といった批判や中傷が渦巻いている。死亡した7人以外に、転落して重傷を負った若い従業員も今年に入って2人いる。 |